2017年10月30日
と言っても、保定中という事なので矯正治療が終わったわけではありませんが!
「動的治療」といって歯を動かす治療は終わったのでここまでを総括してみます。
まずは、今のマッスーの状態から。
初診時のマッスーの写真
ご覧いただいていかがでしょうか?
もともと歯並びはさほど悪くなかったので、変化として上下の前歯が少し引っ込んだかな?とか、よくよく見ると歯の本数が違う事位かもしれません。
でもはっきり大きく違うところがあります。
それはこの写真です。
2017年9月11日
いよいよです!
いよいよ外しました。矯正装置!
振り返ってみれば2年前の7月14日(院長の誕生日、はカンケイないですね笑)に装置を入れてから苦節(?)2年と少し。
最後のトルクコントロールに「やや」手こずりましたが、概ね予想通りの進捗でした。
マッスー自身のゴムかけなどの努力や担当医の初鹿先生の熱意などにより、治療前に模型でシュミレートした通りの良い結果を出すことができました。
お二人ともご苦労様でした。
もちろん、これでマッスーの矯正治療が終了した訳ではなく、これから保定(動かした歯を安定させること)が始まるのですが、まずは一安心です。
治療結果や、治療前後の比較はまた改めますが、今回は装置を外すプロセスについて子細に報告します。
わたし的には最後の二人が本当に嬉しそうにしている写真がとても印象的です。
この笑顔こそが我々の仕事の醍醐味です。
マッスー「装置顔」最後の記念写真(^^)
隙間が無いかなどの最終チェック。
特殊プライヤーを用いてブラケットを外す図。
なんとマッスー、自分で外そうと!スゴイ顔ですわ(笑)
外したブラケットとワイヤー。2年間よく頑張りました!
歯面に残った接着剤を取り除いています。
更にバーを使って取り除きます。
歯の表面を研磨します-1
歯の表面を研磨します-2
歯の形を整えてます(必要に応じて)。
2年ぶりの「自分の歯」とのご対面にしばしうっとり(?)
上の歯のリテーナーを作るために印象(お口の型)を取ってます。
下の歯のフィックスリテーナーを接着しているところです。
接着剤の硬化待ちです。
満面の笑み(^^)(^^)
初鹿先生の方が嬉しそう?(^O^)
2017年8月 7日
こんにちは。
超暑い日が続きますが、皆様お元気でお過ごしのことと拝察します。
さて、2015年7月14日にスタートしたマッスーの矯正治療ですが、いよいよゴール間近です(^^)
ここ数ヶ月の課題だった前歯のトルクや咬合の緊密化等の最終調整もようやく整ってきました。
「長いようであっという間の2年間でしたね~」という会話は患者さんと治療の終盤によくするのですが、マッスーもまさにその通りです。あっという間でした。
って、すかり終わったテイになってますが、最後まで油断は出来ません(^_^ゞ
一応、順調であれば次回、装置を外す準備です。
2017年6月 9日
梅雨入りしましたが、皆様お元気でお過ごしの事と存じます。
さて、マッスーですが、一昨年の7月14日(院長の誕生日)に矯正治療を開始して、早いものでそろそろ2年。
気になる進捗状況は?と言うと。
そうですね、特に大きなアクシデントも起こらずに、順調!!
といえば順調なのですが。。
このところ(皆様もお分かりかと思いますが)見た目の変化がほとんどありません(-_-;)
理由は前回も書きましたが、最終的な調整段階(トルクといって3次元的な歯のコントロール、噛み合わせの緊密化、前歯の被蓋改善など)に入ってきているからです。
このうちマッスーの場合は特に前歯のトルクがなかなか手強いです。
とはいえ、あれだけあった抜歯スペースも完全になくなり(インプラントアンカーは御用済みなので撤去しました)、ゴールに向けてあと少し!
マッスーの"おくちシャン"(バックシャンからもじって 笑)、完成間近ですV
2017年5月 6日
マッスーの4月の調整ですが、ほぼ変化なし、以下同文な感じ(笑)ですので、今回は違うテーマです。
昨年4月に矯正に使用するワイヤーの色についてマッスーの口腔内を借りて検証した記事を掲載しました。
目立たない色、という要求から開発されたワイヤーが当然のごとく歯の色である「白」。
実はこの白いワイヤー、銀色のワイヤーに比べて確かに目立たないのですが、大きな欠点があります。それは「はげる」という事です。
左の写真は1ヶ月使用したホワイトワイヤーです(右は未使用のもの)。
白いワイヤーは通常の銀のワイヤーに白のコーティング材を塗布したものなので、早いもので1週間程度でコーティングが剥がれてきます。
また、ブラケットとの摩擦が大きいので歯の移動にも時間がかかりますし、発売されているワイヤーの種類が少ない(サイズが揃っていない)ために
ワイヤーの選択に制限があるなどの欠点があります。 審美性に優れるというニーズに応えた矯正装置。
ブラケットの方は、いち早く樹脂やセラミック等が出回りましたが、ワイヤーの方は各社頑張っていますが、なかなか満足のいく製品が出てこないですね。
当院では1年ほど前の記事「シルバー、ホワイト、ロジューム、ピーチゴールド、レモンゴールド」に記載した通り、
いくつかの審美ワイヤーを扱ってはいますがそれぞれ完璧なものではありません。
その中でトータル的に一番優れているのはロジュームだと思います。
ただ、かなり高価なのが欠点ですが。。(^_^ゞ
それもNGな方は舌側、またはマウスピース矯正という選択肢になりますね。
2017年3月27日
こんにちは。
あと一週間で4月だというのに、とても寒い日が続いていますね。
さて、マッスーの矯正も終盤に差し掛かっていますが、なかなか見た目には分かりにくい所の調整段階
(トルクといって3次元的な歯のコントロール、噛み合わせの緊密化、前歯の被蓋改善など)に入ってっきております。
それと前回も書いたIPRもほぼ毎回行っています。
その為に写真的に見た目の変化も少なく、楽しくないかもですが(笑)、一応掲載します(^_^ゞ
さて、今回はそのIPRについての説明をします。
IPRとは「InterProximal Reduction」の略で、簡単にいうと歯と歯の間にヤスリをかけてスペース(隙間)を作る方法の一つです。
一般に、歯を削るというと虫歯になり易くなるイメージがあると思いますが、歯の表層のエナメル質の更にその表層に限定した処置なので、歯の健康・寿命にマイナスの面は全くと言っていいくらいにありません。当院でも過去多数の患者様に行っていますが、今まで虫歯等のトラブルが起きた事例は一つもありません。
まっすーの場合は上顎2本、下顎1本というイレギュラーな抜歯をした為に上下のトータル的な歯の大きさの整合性をとることが必要になり、下顎前歯を中心にIPRを行いました。
(「セットアップ」参照)
下の写真の左・真ん中の2枚はIPRをしている所。
右はIPR後の下顎前歯です。これで約0.5mm弱の隙間が出来ました!
2017年2月27日
2月半ばに調整をしました。
前回同様に大きな変化はありません。
強いて言えば隙間が少し詰まった?
変化の少ない理由です。
マッスーの場合は上下で異なる種類の歯を抜いている為に、上下の歯の大きさ的なバランスが悪いのです。
具体的にいうと、もともと下の前歯が1本足りなかったのでイレギュラーな抜歯部位になっていて、結果的に下の歯のトータル的な大きさの割合が上顎に比べて大きいのです。
かといって下の歯を抜くほどの事ではないのです。抜くほどの問題であれば最初から抜いています。
イレギュラーな抜歯部位の決定に際しては机上の計算では難しいので模型上でシュミレーションをする場合があります。
(「セットアップ」参照)
そのような微妙な大きさのバランスを是正する為に、ここ数ヶ月、下顎前歯にIPRという施術をしながら治療を行っています。
その為に進捗が遅くなっているのです。
はて、IPRとは?何か?
それは次号で説明します。
少し長くなるのと、どちらにしろ次回もそんなに書く事なさげですので。。(笑)
2017年1月17日
今年もよろしくお願いします。
昨年末に調整をしました。
最近は月ごとの変化量があまりないので実況中継しがいがないのですが(笑)
因みに、ですが、左下の写真は2ヶ月前の10月のものです。 12月の正面の写真(右下)との違いが分かりますか?
そうです!
前歯の噛み合わせの深さが違います。
前歯はハサミの役割をする部分なので、上下の前歯の適正な「重なり」が必要です。
10月の前歯の状態はそれがほとんど無く、かなり性能の悪い、困ったハサミです(-_-;)
これでは食物を噛み切るのに苦労します。
でも直近の写真はとても良いハサミになっています(^^)
そこで!
タネあかしをすると、この2ヶ月の間、マッスーには「顎間ゴム」という輪ゴムを使ってもらいました。
左の写真の黄色で囲ったところです。
矯正治療はこのようにして患者さん自身に協力して頂かなければならない点があるのですが、でも頑張ればこのように、キチっと結果が出ますV
マッスーはネが真面目?なのかなぁ~。。頑張ってくれました(^^)
顎間ゴムの使用は患者さんに負担をかける事ですので心苦しいところではあるのですが、治療期間を短縮し治療結果の精度を上げる為なので、頑張りどころです。
2016年12月 9日
写真は今年1月のマッスーと直近11月のチェック時のマッスーの比較です。
いかがですか? まず、顔の写真ですが、11月の方は口の周りの筋肉がリラックスした状態になりました。
年初の方は、力を入れないと(歯が出ているので)口が閉じにくいので、筋肉が緊張しています。
左の写真で上の前歯が確認できますが、これだけ出ていれば唇も閉じにくいはずです。
そのせいで唇の下の顎の部分が少しですがウメボシの種のようになっています。
唇も少し薄くなりましたね。
それと! ほうれい線が見事に消えていませんか?
光線の加減もあるとは思うのですが。。
中段の写真は下顔面側貌の変化です。
明らかに違いますね。口もとが引っ込んでスッキリした感じが出ました。
無理なく唇が閉じられるようになるという事は予防に意味でもとても大切な事です。
下段は説明の必要もないと思います。
前歯は本来ハサミの役割(食物を噛み切る)をするものですが、左の写真はかなり性能の悪いハサミでしたね。
最近のマッスーは、生まれて初めて前歯で物を噛み切る喜びを感じながら食事が出来ると喜んでおります。食事が楽しすぎる悩みもあるみたいですが。。笑
抜歯した隙間もだいぶ無くなり、いよいよマッスーの矯正治療も終盤になってまいりました。
最後まで気を抜かないで100点満点目指して頑張ってまいります!
2016年11月15日
今日は新しい清掃用具のご紹介です!
歯と歯の間の清掃はとても大切ですが、矯正治療中は装置が邪魔になってしまい、なかなかデンタルフロスや糸ようじを通すことが難しいです。
そんな時に使っていただきたいのが、「フロッサー」です!
昨年10月28日にも「フロスフィッシュ」という補助用具をご紹介しましたが、今回のものは極々簡単にフロッシングが出来ます。
毎日の事ですので簡単に出来るに越した事はありませんね♡
見た目はよくある糸ようじと似ていますが、よく見るとフロスの接続部分が片方だけ薄くなっています!
この薄くなっている方をワイヤーの下に潜らせて、フラッシングしていきます。
よくある糸ようじはこちら
前歯や奥歯にも使えます。
歯の並びや重なっているところ、狭いところによっては使えない場所もありますが、今までの補助用具よりかなり使いやすくなっております!!
また、反対側は歯間用ピックとなっているので、歯間部はもちろんですが、外食した時など、装置周囲についたものをささっととるのにも適していると思います。
小さいので持ち運びに便利です。
2016年10月29日
先月から前歯引っ込め作戦、再開しましたが、写真を観察すると明らかに隙間が少なくなってきています。
なんか、あまりにも順調過ぎてつまらないくらいです(笑)
でも油断大敵! ゴール目指してヌカリなく進めていこうと思います。
2016年10月 4日
先月の調整時にステンレススチールのワイヤー(0.019×0.025インチ)に変えて、準備完了しましたので、今回再び前歯を引っ込め始めました。
写真を注意深くご覧頂ければ分かると思いますが、前歯の横に立っているフックの先端とインプラントアンカーをエラスティックチェーンをいう弾力のある樹脂で引っ張っています。
このところ、取りたてていうほどの記事もないのですが、それだけ順調だという何よりの証拠なので、喜ぶべき事だと思っています。
2016年9月 5日
6月13日に投稿した、傾斜移動・歯体移動で説明しましたが、マッスーの場合少し上顎の前歯が内側に傾斜したので、それを是正する期間に入っています。
ので、見た目の変化はほとんどありませんが、ほぼほぼ目的は達成したので、今回、以前の前歯を下げる為のワイヤーに戻し、次回からまた前歯引っ込め作戦開始予定です!
それにしても噛む面から見ると、抜いた歯の隙間、本当に少なくなりましたね。
どうする、マッスー!ますますキレイになっちゃうけど!(笑)
2016年7月20日
7月14日は藤城矯正歯科院長の誕生日でした。。
は、どうでもイイのですが(笑)、大事な事!
マッスーが矯正装置を装着したのが昨年7月14日でした。
この1年間の変化を先ずは、外観の変化から。
お口の中の変化を見てみましょう。
上の前歯がかなり引っ込んでいるのが分りますか?
よくよく見ると抜いた歯のスペースが大分少なくなってきていますね。
下の図は、セファログラム(頭部X線規格写真)のトレースで、初診(黒線)と1年後(赤線)の変化を重ね合わせたものです。
大きく違う所は上の前歯ですね。
黒と赤でトレースされた中切歯の切端の距離がなんと9.7mm!
1センチくらい前歯が引っ込んだという事になります。
それに伴い、唇もだいぶ引っ込んできています。
鼻のアタマと下アゴの出っ張った部分を連ねた点線(エステティックラインと言います)と、これに対する唇の位置関係がとても良くなってきています。
口もとが引っ込んできているのは冒頭のマッスーの顔写真でも分りますね。
マッスーも治療前に比べるとすごく口が閉じやすくなった、と言っていますが、実はこの事は見た目の問題だけでなく、非常に重要な事を含んでいます。
機会があったら説明したいと思います。
2016年6月13日
前々回、マッスーの前歯が傾斜してきているので、それを是正する必要があると書きました。
解りづらい所ですので、図を作成しました。
例えば鉛筆を砂場に突き刺したとします。その鉛筆の端を指で押すと斜めに傾きますね。
その状態を矯正では傾斜移動と言い、図中の2の状態です。
傾斜移動を定義すると「歯根の根尖側1/3を回転中心に根尖は歯冠と反対方向に移動する」となります。歯科矯正学の教科書では。
今のマッスーがこの状態ですが、当然これではイケマセン!
当然、正しい歯の傾斜角があるので今度は歯根側を後ろに移動させる作業が必要です。
ところが、当然の事ながら、歯根に力を加える事は出来ませんので、ブラケットを介したワイヤーの捻り(ヒネリ)の力で根尖を後方に移動させます。
このヒネリの力が「トルク」と言われるもので、このトルクで結果的に平行的な歯の移動を行う事が出来ます。これを教科書的には「歯体移動」と言います。
つまり、先ず、根尖側を回転中心とする傾斜移動が起こり、次に歯冠側を回転中心とする傾斜移動が起こり、結果的に歯体移動が完成する、という事です。
本来であれば、トルクを充分に効かせながら歯体移動を行うのですが、その場合でもミクロ的には今回のような傾斜移動の連続で歯は移動します。
もう少し早くこの件についてアップしたかったのですが、図を描くのにエラク手間取ってしまいました(^_^ゞ
2016年5月27日
前回(10ヶ月目)の写真と、前々回(4月)の写真の変化は色々とありましたが、
おそらくここに気づいた方、いらっしゃらないのではないでしょうか?
それは、正面像の上下の前歯の真ん中の線(正中線)のズレです。
これは普通気がつきませんね(笑)
でも我々にとっては非常に重要な事なのです。歯の大きさのバランス、その他の理由でどうしても合わない場合もありますが、出来うる限り合わせるのが基本です。
それで一ヶ月間、マッスーに「ある事」してもらって得た結果がこの写真です。
どうですか?上下の正中線がピッタリ一致していますね。
このカラクリについて説明します。
正中線の一致のさせ方には幾つかの方法があるのですが、この場合はマッスーに「顎間ゴム」というのを頑張って使ってもらいました。
下の写真、(向かって)右上2番目と左下2番目の歯に輪ゴムがかかっているのですが、お分かりになりますか?
ちょっと分りづらいですが、黄色のワクの中です。
この輪ゴム、いろいろなサイズがあるのですがこの場合は直径1/4インチ(6mmちょっと)のものです。
上顎と下顎の間で使ってもらうので「顎間ゴム」と言います。
顎間ゴムをかける場所、使用時間はその時の状況によって変わります。
この時、マッスーは3本の顎間ゴムを使っています。
顎間ゴムは歯を効率的に動かす為の補助装置であり、治療結果・期間に大きく影響します。
ただし、顎間ゴムは患者さんご自身が装着するものなので、きちんとお使い頂ければ計画通りに治療は進むのですが、協力度が悪いと治療期間が延びるだけでなく、最終的な治療結果の精度に大きな違いが出てきてしまう場合もあります。
顎間ゴムの使用は、それをしないと治らないので、仕方なく患者さんにお願いしています。
つけ始めの時は少し違和感や痛みを感じる場合もありますが、より良い結果を出す為に、ドクターの指示(場所・時間等)にしっかり従って頂きたいと思います。
マッスーも、頑張って使ってくれたので1ヶ月で見事に治りました。
もし使ってくれなかったら1年経っても治っていないはずです。
2016年5月18日
暑くもなく寒くもなくの良い季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
花粉症で目がはれてエラい事になっていた初鹿先生も、ここに来てとても楽になりお化粧も元通りに出来る様になって大変喜んでおります(^^)
さて、本題のマッスーですが、早いもので治療をスタートした昨年7月からまるまる10ヶ月経ちました。
進捗は素晴らしく順調です。
一昔前だったら確実に懸念材料だった抜歯スペースのコントロール(抜いた歯のスキマの使い方)も、インプラントアンカー(TAD)のおかげで何のためらいもなく前歯だけに力をかける事が出来、予定よりだいぶ早く動いています。臼歯(奥歯)の噛み合わせの安定性も抜群です。
写真をご覧頂ければば3ヶ月前との差がかなりハッキリ分かると思います。
しかし、ここで問題が発生しています。ただしこれは充分に想定範囲内、というか、予定していた状況になった、と言う事です。
矯正力はブラケットを介して歯冠部(歯の口の中に出ている部分)を通り、歯根(歯ぐきのなかにある部分)全体に伝わります。
上顎の前歯を引っ込める際の力もその順で伝わるので、まず傾斜的な移動で歯冠部が先に後方に移動してしまうのです。
それが今の状態です。
今回はそれを是正する為に、上顎ワイヤーの前歯部(側切歯~側切歯の4本)にトルクをかけてあります。
トルクというのは取り残された歯根部を後方に移動するためにワイヤーにつけた「ねじり」です。
2016年4月26日
もうすぐゴールデンウィークですね(^^)
藤城矯正歯科は明後日、4月28日から5月5日までお休みさせて頂きます。
天気が良いといいですね。
さて、日進月歩している矯正材料ですが、中でもワイヤー類の進歩は著しいものがあります。
今回のテーマは、そのワイヤーの色についてです。
ひと昔前は矯正装置というと全て銀色のものでしたが、
30年程前に目立たないブラケット(樹脂やセラミック)が開発され、だいぶ見た目が良くなりました。
しかし、ワイヤーはしばらく銀色(又は黒)のままでした。
そして当然、時代の流れから審美的なワイヤーのニーズが高まり各社から色々なワイヤーが出されました。
以前から同じ人で様々なタイプのワイヤーを試してみたい、とは思っていたのですが、
患者さんにお願いしてそれを試みるのはなかなか憚られる事でしたので二の足を踏んでました。
そこで、マッスー登場!
マッスーなら、なに憚る事なく試せる(?笑)ので、念願の「同一口腔内ワイヤー品評会」を行いました。
写真の撮れかた、カットがバラバラでお恥ずかしい限りですが、参考にはなると思います。
さて、結果発表です。
すべて上顎が該当ワイヤーです。下顎は見ないで下さい(^_^ゞ
いかがでしょう?
やはり、昔ながらのシルバーは目立ちますね。
そして、次なるは銀色じゃない目立たない色。という要求に応えて出てきたのが、当然のごとく歯の色である「白」。
ところがどうですか?この白いワイヤー。。
なんか、意外と目立ちますよね。しかもこの白のコーティング、結構短い期間で剥げちゃうんです(-_-;)
マッスーも自らの希望でホワイトワイヤーにしたのですが、その「意外っぷり」に落胆してました(笑)
真ん中が恐らくこの中で一番新しいロジュームコーテイング。
ロジュームはもともとプラチナに属する金属です。写真では判りづらいですが結果的にこのワイヤーが一番目立ちません。
下の2本はゴールドを基調として少しピンクがかったピーチとライトイエローのレモン。
目立たない的にはピーチの方が僅かに優れてますが、ほぼほぼ同じ。
なにしろゴールドですので華やかな感じがします。2本ともホワイトワイヤーより目立ちませんし、口腔内が明るい感じになります。
以上、報告でした。
2016年4月16日
今回はエラスティックチェーンの交換と、下顎のワイヤー調整をしただけでした。
前歯を引っ込め始めてから2ヶ月ですが、だいぶいい感じになってきました(^^)
2016年3月11日
先日、インプラントアンカーについて少し書きましたが、分りづらいところがあるので補足します。
これまで、抜歯しての治療の場合、抜歯したスペースを埋めるのには、ゴムやスプリングで奥歯と前歯を引っ張り合う方法が一般的でした。
この場合、前歯・奥歯に相反的な力がかかるので、前歯を引っ込める時に当然の事ながら奥歯が前に動いてしまいます(左図)。
矯正治療の目的は様々ですが、前歯を引っ込めるのを主目的とする場合、これではせっかくの抜いたスペースを「無駄遣い」してしまう事になります。これを阻止する為の様々な方法はありましたが、どれも完全なものはありませんでした。
インプラントアンカーは顎の骨そのものが固定源になるので無駄遣いがほとんど無く、治療期間・結果に大きな利益をもたらせます(左図)。
また、非抜歯矯正の可能性の拡大、患者様の治療協力の軽減等、他にも様々なメリットがあります。
マッスーも2月17日にインプラントアンカーと使って前歯引っ込め作戦を開始してからまだ数週間ですが見た目でだいぶ変わってきています。
装置を入れたばかりの時のもの。
今回撮ったもの。
違い、ハッキリ解りますよね。
ちなみに、ですが、下の写真は念願だった前歯がドンドン引っ込んで行き、最近ゴキゲンで仕事に精を出すマッスーです(^^)
2016年3月 9日
ちょっと早いですが3月のチェックです。
下顎のワイヤーを断面が0.019×0.025インチの所謂レクトアンギュラーワイヤーに変えました。
上顎はエラスティックチェーンを交換しただけです。
2016年2月17日
写真を見て頂ければ分ると思うのですが、上のワイヤーにフックが鑞着(ろうちゃく)されています。
さらによく見て頂くと、そのフックの先端のカギ状になっている部分と先日埋入したインプラントアンカーを結ぶナニモノかが見えてくると思います。
この透明なものはエラスティックチェーンと言って、イメージとしては、小さな輪ゴムがつながった的なものです(写真左)。それを引っ張った状態で装着するとその弾力で前歯が後ろに移動してきます。
インプラントアンカーが無かった時代は、前歯を後退させる為の固定源を奥歯に求めた為に相反作用で奥歯が前方に動いてしまい、抜いたスペースをロスする事がありましたが、このシステムが出てからはとても効率のいい歯の移動が出来る様になりました。
という訳で、マッスー念願の、というか、治療の主目的である上顎前歯の後退が始まりました!
2016年2月 9日
前回との違い分りますか?
下顎のスプリングの位置が違います。
それともう一つ。
上顎のワイヤーの色が違います。
前回は真っ白にコーティングされたワイヤーだったのが、今回、ロジュウムコーティングといって、ステンレス系のギラギラの銀でもない、
かといって逆に目立つ結果になってしまいがちな真っ白でもない、中間の目立たないワイヤーになっています。
更にもう一つ。
上顎の左右の小臼歯と大臼歯の中間の上部の歯肉にネジみたいなものがあるのがわかりますか?
これはTAD(テンポラリーアンカレッジデバイス)、またはミニスクリュー、ミニ(アンカー)インプラントと呼ばれるもので、
これを写真の様に一時的に顎骨の表面に埋入します。
これを今後、上顎前歯を後退させる時の固定源とします(インプラント矯正と呼ばれています)。
いよいよ次回から上顎前歯を後ろに引っ込める作業に入ります。
2016年1月12日
今年はとても暖かで穏やかなお正月でしたが、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか?
マッスー、正月を堪能(主に食生活)しすぎてヤバイッ!と申しておりました(笑)
さてさて、肝心の矯正治療の進捗ですが昨年末に処置しましたのでご報告します。
前回との違いは
・下顎のワイヤー径が0.016から0.018インチのものに変わっている。
・左下のスプリングの位置が更に一つ後ろに変わっている。
・上顎のワイヤーを白い(ホワイトコーティング)ワイヤーに交換。
そろそろ上顎前歯を後方に移動する(引っ込める)準備が整って来ています。
2015年11月27日
前回、「もう11月」と書きましたが、あと何日かでナント!「もう師走」です!
月日の経つのが早過ぎてびっくりです(-_-;)
気候的にも、いきなりの冬で、北海道では積雪60cmとか。
さて、マッスーの矯正も4回目になりました。
上顎は019×025インチと同じ太さですが材質が前回の形状記憶合金からステンレススチールのものになりました。下顎は016のステンレススチールと変わりません。
スプリングの位置が変わったのにお気づきでしょうか?右側のスプリングの位置は、前回からひとつ遠心に移動しています。
左側はそのままでスプリングを強くしています。
2015年11月 2日
「もう」お彼岸、「もう」中秋の名月、「もう」金木犀、などと言っている間に「もう」11月です。
今日は朝から雨で、寒さも本格的になって参りました。
さて、季節に関係なく増島さんの矯正治療はドンドン進んで行きます。
3日前の10月30日、土曜日に3度目の調整を行いました。
今回は上顎は更に太めの断面が0.019×0.025インチのニッケルチタンワイヤーに変えました。下顎は同じく0.016インチのステンレススチールです。
上顎はほとんど見た目的な変化はありませんが、下顎の前歯、特に抜歯した所の隙間がほとんどなくなっているのがおわかりでしょうか?
もちろん、それまであったダミーの歯は撤去しています。
2015年10月28日
今回はホームケアについてお話させていただきます。
矯正装置が入っている場合、食事をすると歯と歯、歯と装置の間に汚れが詰まり、そういった箇所には、糸ようじやデンタルフロスが必須アイテムとなります。
しかし、フロッシングする時は矯正装置が邪魔になり、そのまま通すことは難しいです。
そこで今回ご紹介させて頂くのはフロスフィッシュという補助用具です。
こちらがフロスフィッシュとデンタルフロスです。
フロスフィッシュは魚の形をしています(?)、と、見えなくもないかな...(笑)
まずフロスの一方を、フロスフィッシュの穴へ通し、もう一方を尾ひれに巻き付けます。
そして、穴がある方をワイヤーの下へ入れます。穴から出ているフロスを、通常通り歯間部へ通してプラークを除去します。
通した状態です↓
一箇所ずつ通していくので、初めは少し面倒に感じてしまうかもしれませんが、慣れてくれば操作もコツをつかめます。
これがあれば矯正治療中のフロッシングも楽々です(^^)
矯正中の虫歯や歯肉炎予防には必須アイテムです!!
2015年10月10日
10月5日に2度目のチェックを行いました。
マッスーの場合、もともと歯並びはそんなに悪くないので、1度目に比べて、さほど見た目の変化はありません。
今は、今回の治療の主目的である前歯を引っ込めるための環境作り、というところが当面の治療の目的になります。
今回も上下ともワイヤーを変えました。上顎のワイヤーは断面が0.018インチ×0.025インチの長方形のものです。
今までの断面が円のワイヤー(ラウンドワイヤー)との違いは歯の3次元的なコントロールが可能になる所です。
材質は同じくニッケル・チタン系の形状記憶合金です。
下顎は直径0.016インチのラウンドワイヤーに変えました。
前回より少し細いですが、材質がステンレススチールのものですので剛性が高く「たわみ」が少ないです。
マッスーの場合、最終的に下顎犬歯を側切歯(中心から2番目の歯)として使うという治療方針なので、犬歯を前に移動させる目的でオープンコイルスプリング(螺旋状のスプリング)を左右犬歯の後ろに圧縮して入れました。2本の前歯をくっつける為に、両方の歯の間にエラスティック(パワー)・チェーンという小さなゴムの輪を連結したものを伸ばして装着してあります。
余談になりますが、下の写真は藤城矯正歯科で20年以上お世話になった歯科材料屋さんですが、すごく残念な事に昨日が最後の日でした。
大高さん、長い間ありがとうございました。
2015年9月 7日
早いもので、矯正治療を開始して約1ヶ月経ちましたので、9月2日に最初のチェックをしました。
上下ともワイヤーを少し太いものに変えました。
具体的には、上顎は直径0.014インチから0.018インチ、下顎は0.016インチから0.018インチのものに変えました。
いずれのワイヤーも断面が円形で、素材はチタンとニッケルを主体とした形状記憶合金です。
この金属が発明されて、矯正治療はとても楽になりました。それは術者も患者さんも、という意味です。
このヘンを語ると長くなるので、追々また、という事で。。。
どうですか?前回との違い、分りますでしょうか?
これだけでは分りづらいので、前回と今回の上顎の噛む面の方向から鏡を使って撮った写真を並べます。
よく見ると、左の写真は歯を抜いた傷口もナマナマしいです。。
これで分りますよね?
明らかに真ん中の前歯2本(中切歯)と隣りの2本(側切歯)との前後的なギャップが少なくなってきてます(^^)
1ヶ月でこの位歯が移動するって、ちょっと驚き、というか不思議な感じですよね(^^)
でも、マッスーの課題である上顎の前歯の出っ張りはまだまだこれからの話です。
因みにですが、現在これだけ出ています。
まだまだ先は長いぞ、マッスー!
2015年8月 4日
前歯を抜く事は滅多にないのですが、抜くとやはり目立ちます。
増島さんもお年頃の女子なのでお気の毒に感じました。
そこで、スペースがある程度閉じるまでダミーの歯を隣りの歯に接着しました。
実際の患者さんにももちろん必要に応じて行っています。
2015年7月24日
無事に3本の抜歯も終り、いよいよ今日ワイヤーを入れて動的治療開始です!
後は通常一ヶ月に一度の通院、という事ですが、マッスーは毎日通院してます。
あっ、通院じゃなくて通勤でした!(笑)
とにかく、これで本格的スタートですv
2015年7月14日
ブラケットを患者様の歯の表面に接着する場合、フリーハンドで1歯づつ接着する場合と、ジグと言う接着する時のガイドになるものを技工所で特注する場合があります。
増島さんの場合、より正確な接着が可能な後者(インダイレクトボンド法)を選択しました。
下の写真は技工所から送られて来たジグです。
箱の「マッスー♡」は受付の石嶋さんが書きました。
模型状で試適してみた所です。
いよいよ実際に装着(ブラケットを装着)です。
先ずは歯を最終的に研磨します。次に歯の表面に薬液を塗り乾燥します。これはブラケットが歯に強固に接着する為に必要です。
ブラケットに接着剤を盛り(左)、ジグを歯に合わせ固定し(右)、光で接着剤を重合させ硬化させた後、ジグを取り除きます(下)。
これを接着予定の全ての歯に行います。
予定していた歯への接着が終りました。
マッスー、ニッコリです。髪は乱れています(^^)
でも笑ってばかりはいられませんよ。
マッスーにはこれから抜歯という難行が待ってますからね(-_-;)
右の写真は技工所から見学にいらした技工士の方です。
因みに、ですが奇しくもこの日、院長の誕生日で、皆さんに祝ってもらいました(^o^)
2015年6月20日
増島さんの場合、抜歯しての矯正治療は決定なのですが、もともとの歯の数が1本少なかった為に机上の計算では抜歯の部位の決定がしづらい状況でした。
この様な場合には実際の模型を一旦バラバラにし、想定した歯を抜いて並び替えるセットアップと言うシュミレーションを行って抜歯部位を決めます。
2通りのセットアップを技工所にお願いし、担当技工士の方に説明を受けました。
この矯正治療終了時のシュミレーションを参考に噛み合わせ等を確認して、最終的に抜歯部位を決定します。
増島さんの場合、左の3本抜歯になりました。 写真下は側面アップです。
どうですか?
前歯がしっかり引っ込んでますね。
でも抜く歯の種類が違うのでこれでも噛み合わせ的に満点の状況ではないのです。
その様な部分は、場合によっては歯の側面を削ったりと最終段階での調整が必要になる場合が多いです。
この辺はドクターの技量が問われるところです。ガンバンないと!(^^)
2015年6月13日
レントゲンや写真、技工所で制作した口腔模型等を元に資料分析を行いました。
精密検査をしてから診断まで通常4週間位時間を頂いていますが、模型を技工所に外注したり、レントゲンや模型の分析を含めると、どうしてもそれ位の時間がかかってしまいます。
ご理解下さい。
2015年6月 5日
歯や歯を支えている骨(歯槽骨)・骨格・横顔のバランスなどを調べるためにレントゲンを撮影します。
防護用の鉛の入ったエプロン(2枚)をつけて通常2枚撮ります。
正面と横向きのお顔の写真、歯並び・咬み合せ等のお口の中の写真を撮影します。
模型を作成するための歯型を採取、噛み合わせのチェックをします。
歯型の採取にはピンクの粘土のようなものを使います。 ちょっと苦しいけど我慢です...
むし歯、歯磨きの状態、舌の位置・動き、開口量、顎の動き、顎関節、発音、不良習癖、アレルギー、口腔周囲筋のチェックなどをします。
2015年6月 1日
通常であれば「初診相談」というステップからのスタートですが、増島さんの場合は充分にヒアリングが出来ていたので、これは省略です。
6 治療費の説明
治療費やお支払いの方法についてのご説明します。
2015年6月 1日
藤城矯正歯科の歯科衛生士「マッスー」こと増島さんが長い間のコンプレックスだった歯並びを治すべく矯正治療をする事になりました。
せっかくですので本人の了承を頂き、矯正治療の流れ、というか一部始終を皆様に理解して頂きたいと思いまして、ブログを立ち上げる事にしました。
なるべくリアルタイムでアップしていきたいと思っています。
参考になれば良いのですが。。。
よろしくお願いします。