セラミック矯正とは、矯正と名前はついているものの、実際は歯を削って被せ、見た目を良くする処置の事で、一般に認識されている歯を動かす矯正治療とは全く異なります。ほとんどの場合は美容を目的とする審美歯科で、見た目を短期間で変えられると言う長所はありますがますが、歯を大量に削る場合が多く、その為に神経を抜く、あるいは不正の位置にある歯そのものを抜く事もありますので要注意です。そしてこれらの人工の歯(被せ物)はセラミック等の材質そのものの寿命、あるいは施術したドクターのスキルにもよりますが長くは持ちません。その為、一生のうちに何度も被せ直す可能性があり、その都度、更に歯を削る事になります。
費用は自由診療ですので医院によって異なりますが、治療の範囲が多い場合は矯正治療費の総額を上回る場合も少なくありません。
一方、歯列矯正はセラミック矯正とは目的もゴールも違います。ただ、共通する目的の一つとして、見た目(審美)の改善はもちろんあります。これはもう一つの目的である機能の回復、すなわち一本一本の歯が本来持つ役割を達成できる様な位置にまで自身の歯を移動させ、機能を回復させ、きちんとした正しい噛み合わせを得る事により「自動的に」得られるものです。機能と審美のクォリティーは一致するものです。そして一本一本の歯はそれぞれの役割を果たす為に形態が違うのですが、正しい噛み合わせこそが歯にとっての健康や寿命にとって非常に大切な事なのです。
矯正治療は時間がかかるという欠点はありますが、ほとんどどんな症例でも良い見た目(審美)と良い噛み合わせ(機能)が同時に得られ、しかも全て自分本来の自然の歯で賄えるので一生の宝となります。
矯正装置の見た目の問題もホワイトワイヤー、舌側矯正、さらにマウスピース矯正などの精度が最近急激に発達し、かなり、あるいは全く目立たない治療が可能になってきております。
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